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Tasmanian Forests Regional Information in Japanese

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タスマニア南部

ウェルド川

ウェルド川はタスマニア南東部を流れる、最後の秘境と目される河川の一つです。世界遺産エリアに向かって迫り出す形のウェルド渓谷は、世界遺産の登録からは外されています。その理由は、そこに繁茂する巨大な木材資源と林業へのアクセスの良さ以外の何物でもありません。

ウェルド川は地元の人たちにとってお気に入りのフィッシュングスポットであり、野生の川鱒釣りのメッカとして世界的にも名前が知られるようになりつつありますが、いつなんどき、新たな橋の建設が始まり、新たな伐採用の道路網が痕跡をとどめようとしてもおかしくない状態にあります。世界遺産登録地に隣接した地域はすでにチェーンソーの犠牲になってしまいました。

世界遺産登録地と同等の美しさと自然味にあふれた川のために、それから世界中の釣り愛好家達のメッカとしても、ウェルド川は保護・保全されるべき場所であるのです。

スティックス渓谷

スティックス渓谷には、世界でもっとも高いといわれている樹木が繁茂しています。オーストラリア原生自然保護協会が「巨木の渓谷」と名づけた渓谷は、タスマニア林業公社がその古代の荘厳さをそなえた森林をすべて、一瞬の猶予も与えずに破壊してしまおうとしている場所でもあるのです。

スティックス谷に興味をお持ちの方は、オーストラリア原生自然保護協会のタスマニア支部に問い合わせてみてください。ここではエコツアーを企画したり、もう何年もスティックスの森林保護キャンペーンを活動的に行ったりしています。

ヒューオン地区におけるサウスウッド計画

タスマニア林業公社が推進し、ベーコン知事率いる州政府が全面的に支持しているサウスウッド計画は、ヒューオン川をはさむヒューオン渓谷に拠点を置く、木材チップ加工を中心とした工業団地建設計画です。この計画は、タスマニア林業公社がインフラ基盤となる施設を整備し、政府も賛同しているということで、“投資を待ち望んでいる”状態にあります。この産業テーマパークは、年間80万トン以上もの木材を消費するといわれています。そして、そのうちの30万トンは木材チップを燃料とする火力発電所で燃やされてしまうでしょう。

サウスウッド計画は、地域住民の反対の声を喚起し、木材チップ産業による南部の森林の破壊という問題を際立たせる結果になりました。「グリーンな(環境にやさしい)エネルギー」を装って天然林を燃やすという考えは、木材チップ産業が置かれている絶望的な状況をさらに明確に表し、地域住民の怒りをますます増大させただけでした。「グリーンな(環境にやさしい)エネルギー」は、連邦政府の再生可能エネルギー法によりお墨付きを与えられています。この法律は「廃材」をエネルギー源として認定しているのです。

サウスウッド計画は、現在タスマニアで提案されている三つの木材チップ焼却発電所の設置計画のうちのひとつです。しかしこの計画は、崩壊しつつある巨大な木材チップ産業をなんとか支えようとする最後の悪あがきとしか理解のしようがありません。世界中の木材市場には植林木であふれており、オールドグロス林からつくられる木材チップよりも品質が優れている木材チップを対象とする、より持続可能な基準が模索されているところです。タスマニアの林業はオールドグロス林の皆伐をやめることができるにもかかわらず、サウスウッド計画のような、世界の傾向に矛盾する手段にばかり固執し、天然林への猛攻を続けているのです。

植林事業

事業地域:ジュドベリー、フランクリン、クラドック、ルーカストン

フォーリスト・エンタープライズ・オーストラリア社(FEA)はガンズ社とともにヒューオン渓谷で植林事業を展開しています。両社は「善隣憲章」に加盟調印していますが、実際のところ決して「善隣」などではありません。

FEA社は税制上の優遇措置を受けており、「自社への投資については100%税金が還付されます」。つまりこの会社の目的は税金の回復や不動産取引であって、木を植えることなどどうでもよいのです。オーストラリア証券取引投資委員会からその不明朗な企業活動ためにお咎めを受けています。

FEA社はヘリコプターを使って化学物質を無差別に散布しており、その結果化学物質の過剰な投与により水路を汚染しさらにダムや井戸といった飲料水の水源までも破壊しています。また散布された毒薬の「1080」は、かれらが植林している単一樹種のユーカリプタス・ナイテンスを好物とする野生生物を殺戮するのに使用されています。FEA社は除草剤を全面散布してあらゆる植物を駆逐すると、不毛の地にナイテンスを植えます。これは遺伝子組換えを施されたフランケンシュタイン樹種です。野生生物たちは食糧源を失ったいま、新たに植えられた苗木を食べる以外にありません。しかしこれも、ポッサムやワラビーが好物とすることがわかったのです。

「善隣」ならぬ「悪隣」関係が原因で、1080散布に反対する地域住民によるピケがジュドベリーとバーミューダロードで行われました。八日間にわたってFEA社のゲートが封鎖され、1080の使用が食い止められました。

ガンズ社はヒューオン渓谷に位置する小さな町、ルーカストンで伐採を計画しています。

植林事業による天然林の皆伐は重大な問題となっています。こうした植林開発に先鞭をつけているのが連邦政府による「2020ヴィジョン」という計画です。この目的は植林産業をはばむあらゆる障害を除去することにあります。議会から地域社会まで「2020ヴィジョン」はタスマニア全体を混乱の状態に陥れようとしています。

もしあなたの地元で森林開発などにまつわる問題を抱えているならばつぎのアドレスまでご連絡ください。

tasforests@tasmedia.org

タスマニア北西部

ターカインを貫くパイプライン側道

サヴェッジ川パイプラインとそのパイプラインに隣接した業務用道路が貫通しているのはターカインの雨林の心臓部です。タスマニア北西部の地中深くに埋設されたパイプラインは、オーストラリアン・バーク・ミネナルズ(ABM)という鉱山会社が所有するサヴェッジ川鉱山を起点にタスマニアの北部沿岸の町、ポート・ラタまでつながっています。

サヴェッジ川パイプラインは、この地域に残る、純系を保った希少種のマートル(ギンバイカの一種)の雨林を切断しています。その一画を占めるレッド・ディープ・マートルが繁茂する広大な森は、パイプラインからは目と鼻の先です。このようなパイプラインの立地条件からタスマニア林業公社は、木材に絡む利権、つまり木材チップの収穫を目的に、レッド・マートルの群生域にアクセスするパイプラインソ側道の使用許可を手に入れようと現在、ABMに対してすさまじい攻勢をかけています。タスマニア林業公社は、家具材やその他の付加価値のある製品向けに、レッド・マートルの質の高い利用法を考えている、という口実を口にしていますが、しかしながら林業公社の言う目的のためにレッド・マートルがどの程度利用できるのかという問題は、かれらにとってかなり頭の痛い問題なのです。

現在のところABMは、レッド・マートルやその他の種類のマートルを採取させる目的で、ターカインを貫通する側道のアクセス権をタスマニア林業公社に与えようという姿勢を見せていません。ABMは、サヴェッジ川パイプラインの存在ゆえにターカインの原生自然価値を劣化させてはいけないという連邦政府レベルでの合意契約を交わしています。

ハンプシャー木材チップ工場

クレイドル・マウンテン-レイク・セント・クレア国立公園へ行く道の途中に、ハンプシャー木材チップ工場が、パインツリーの木立にうまく隠れるようにして存在しています。ここでは、搬入・搬出を繰り返すトラックが24時間出入りし、ターカインを含む地元の森林を木材チップ化する切削機が稼動しています。二機の巨大なクレーンが運搬用のトラックから木材を丸ごとつかみ、広大な集積地に降ろします。集まった木材はいずれ切削機に送られる運命にあります。厳重な警備によって工場全体が覆われ、運搬トラックでさえ構内に入るときは厳しく調べられます。これはたんに警備のためだけではなく、腐食した木材や炭化した木材が混入していないかチェックするためでもあるのです。もし腐食や炭化が見つかった場合はトラックの運転手は戻るように告げられ、来た道を戻らなければなりません。荷を降ろし、問題の木材を除外した状態で積み直してからようやく工場に戻れるのです。

最近では、一本の木材がわずか30センチ腐っていたということで、突っ返されるという事件が起きました。小さな腐食という瑣末なことがまったく思いも及ばない展開を見せることになります。トラックの運転手は電話で緑の党に救済をもとめました。ドイツ人林学者のフランク・ストリが現場に駆けつけ問題の木材を調査しました。

結局フランクが見つけたのはごく小さな腐食に過ぎなかったのですが、このためにわざわざ追い返された事情を考えると、この一件は木材チップ産業が下請け業者に対して、いかに大きなストレスとプレッシャーを強いているかを物語っています。

木材チップをいっぱいに詰め込んだトラックの列は、ハンプシャーから約20キロメートル北のバーニーに向かいます。バーニーに着くと木材チップはコンベヤに乗せられ、日々かさを増す巨大なチップの山に運ばれるのです。

バーニー木材チップ輸出港

タスマニアの北岸に位置するバーニーがこれだけの大きな振興を遂げるには、巨大な木材チップ産業のようなものが必要なのです。街の中心部から800メートル足らずのところに途方もなく大きな木材チップの貯蔵施設があります。ハンプシャーで加工されたオールドグロス林材、植林木、天然林材はすべてこのバーニーに運ばれてきます。そして木材チップの状態で海外に輸出され製紙用パルプの原料になるのです。

市場の動向次第では、木材チップ運搬船が何隻も横付けされ1000トンものチップを積んで海外の消費地に向かいます。バーニーの港はまた、海外に向けて丸太の輸出を行っています。切り出されたばかりの原木は海外に運ばれて、製材用に加工されます。

堆積した木材チップの底の部分はもう七年間もひっくり返されていない、といううわさを耳にします。“巨大な堆肥の山”とも言われています。さらにこの高さ15メートルもの“堆肥の山”が地域住民に健康被害をもたらすとも考えられています。マイコトキシンといった真菌による感染症やレジオネラ症の発生が十分に予想されます。腐食の進んだ木材製品が原因でこれらの感染症が発生することはすでに証明されています。腐りかけた木材は培養土をブレンドしたものに等しいのですが、培養土が店で売られる場合は、こうした病気の発症可能性を警告する注意書が付いています。

べつの健康被害原因としておがくずが挙げられます。沖合いから吹き込む風に乗って運ばれるおがくずが、集中豪雨のように降ってくるのです。おがくずが家庭のエアコンの中にたまって腐敗しはじめ、やがて排気口から噴出されると、レジオネラ症を誘発することが考えられるのです。実際バーニーでは、こうした事例が何件も起こっています。

ガンズ社有地を通過してクレイドル・マウンテン国立公園に至る

タスマニアで最も人気のある観光地のひとつ、クレイドル・マウンテン-レイク・セント・クレア国立公園にアクセスするには「廃墟」の中を通らなければなりません。森林の皆伐地が道路沿いに広がっています。分岐点にはかならず、「1080毒薬散布 注意」の標識が置かれています。幹線道路から分かれる道はすべて封鎖されているために観光客には実際何が行われているのか見えないのです。しかし最近になってガンズ社はその真相の一部を沿道に向かって公開しました。道路の縁石から皆伐地までなにも視界をさえぎるものはありません。

地元の人たちによれば、社有地に植林されたシャイニング・ガム(ユーカリプタス・ナイテンスの別称)の中に入った途端、雨が止むというのです。またこんな話も聞きます。かつて一年にわたって緩やかだった川の流れがいまは、雨が降るたびに激流のようになってしまうというのです。以前は降った雨水を吸収し年間を通して地下水に少しずつ注ぐのを手助けしていた森林がなくなってしまったせいです。

居住区、農村地帯の植林事業

プリオリーナ、メウーナ、フラワーデイル、オルディーナ

これらの町の内部における植林事業は、地域社会のインフラ基盤全体に破滅的な影響を及ぼしています。ガンズ社、FEA社、林業公社、その他の植林企業が、電力、水、電話線を含むすべての基本サービスをずたずたにしてしまったのです。かれらがおこなう通常の手順として、農場のまわりの土地を買収し何千ヘクタールにもわたってユーカリプタス・ナイテンスを植林します。多くの場合、酪農用トラックのアクセスがいっそう困難となりミルクの回収に多大なコストが増えるために、結局残された農場も放棄せざるを得なくなります。こうした情勢と時期を同じくして現在、畜産業界は衰退の一途をたどっています。食肉加工会社ブルーリボン社は牛肉生産の落ち込みのため事業規模を縮小しようとしています。これは農業から植林業へという産業界全体の再編化の動きの一端といえるかもしれません。

第三、第四等級の土壌(深さ1.5メートルまで高品質の表土)におけるユーカリ樹種の植林はまったく無責任としかいいようがありません。成長があまりにも早く木の中心部を結局、熱帯材のバルサのようにしてしまうのです。植林会社は土地の取得にあたっては現在の市場地価より最大50%を上回る率で買収しています。これは現連邦政府が許している税制優遇措置によるものなのです。広大な面積の土地を取得したとしても、農業にとどまろうとする農家たちに支払われる金額は十分なものではありません。

タスマニア中北部

スティーヴンズ・ヒル、ディロレイン

ちょうどディロレインの郊外に地域森林協定の下で100%保護されるべき森林のエリアがあります。樹種によっては90%以上が伐採し尽くされるものもあれば、地域森林協定の下で100%保護されなければならないものもあります。最近のタスマニア林業公社による動きは説明がつきません。かれらはこのエリアを皆伐する意図をもって道路敷設用のブルドーザーを入れました。

地元住民は機転の早い対応を見せ、道路敷設の工事を一時的停止に追い込みました。葦原湿原保存団体に属しディロレイン環境センターの会員でもあるアンドリュー・リケットは、そのエリアの保護で巧みな策略を使いました。

歴史的な重要性や地形状の特徴をそなえた小区域と希少な樹種を擁する林地を探し出し、これらの土地を十分につなぎ合わせることよって、この先、皆伐を続行する経済性を不合理にしてしまうような作戦は、うまくいけば奏効するでしょう。

地域森林協定の違反行為はスティーヴンズ・ヒル地域のなかに見ることができます。そこでは地域森林協定で守られている森林が皆伐され、その後に植林が行われています。

グレート・ウェスタン・ティアーズ(大西部山脈)

グレート・ウェスタン・ティアーズは世界遺産指定地域の斜面に位置しています。高い樹木と商業的な利用価値を有しているためにタスマニアのユニークな地域の一つであり、世界文遺産指定地域に繰り返し推薦されているのもうなずけます。

グレート・ウェスタン・ティアーズでは林業公社のなりふり構わぬ横行をくい止めるための、抗議運動や住民運動が大変盛んです。最近の活動はthe Mother Cumming Campaign, ‘Save Koopa Roona Niara’でした。

そのキャンペーンは皆伐予定地の三分の一にあたる森林の保護に成功し、林業施策が原生林に対していかに不遜なほどに無関心であるかという実態を州民の意識に焼きつけました。キャンペーンはまた、警察および当局に1000,000ドル以上の損失を与えました。

タスマニア北東部

ホールズ・フォール(ホールズ滝)

ホールズ・フォールはPyenganaの近郊、観光用の主要幹線道路を下りて数分のところに位置しています。このあたりは何世代にも渡って地域住民によって利用されてきました。最近住民達は、壮大な滝まで自然遊歩道をつくりました。非常に古い、人手の入っていない原生林のなかに瀑布があるのです。

タスマニア林業公社は最近、この遊歩道本体と周囲のすべての森林を取り囲んでいる伐採予定地のうち、最初の伐採を行うことを発表しました。これは地域住民の顔に泥を塗るようなものです。林業公社は、自然遊歩道の最初部周囲18ヘクタールの保護区提供を「エサ」にして住民側と取引を結ぼうとしました。その条件とは、同地域で行うすべての営林活動が地域の反対によって妨害を受けない、というものでした。住民側はこの取引を拒絶しました。皆伐予定地のすべてが滝の景観地内であり、遊歩道自体を取り囲む範囲だったからです。

ホールズ・フォールは、ノース・イースト・ハイランド国立公園提唱地域の中にあります。これは地元住民がほぼ六年間取り組んできた計画です。雇用の創出、木材産業・観光業の開発、持続可能なライフスタイルの追求、そしてクリーンな上水路の整備は、すべてこの国定公園提唱に組み込まれています。

ホールズ・フォールは200211日以降の伐採計画に予定されています。

グールズ・カントリー

グールズ・カントリーはPyenganaからわずか数キロ東の美しい地方です。地元で水質管理に眼を光らせている、ベリスという女性がいます。水質のモニタリングは地域の環境汚染を探知するための第一歩です。

ブルー・ティアーズ国立公園と隣接の州有林は彼女の家の玄関からわずか数百メートルのところにあります。隣接する州有林は、現在提案されているノース・イースト・ハイランド国立公園内にあります。ユニークなブラックウッドの林とオールドグロース林が州有林の大部分を形成しています。さらに同地域は最後の氷河期から生き延びている氷河がいまだに残っているところでもあります。おそらくかつては、こうした氷河が北西部全体を覆っていたのでしょう。ここは地域森林協定の保護区外にあります。その理由は、同程度の保存状態をとどめる別の氷河が州のほかの場所で保護されているからです。氷河期を生き残った森林を破壊した後に、一体これから何を保存しようというのでしょうか?

ウェルド・ヒルと「太った木々」

ウェルド・ヒルは長年論争の的になってきた伐採地です。過去、地元住民による絶え間ない活動や州民による同エリア封鎖の支援も、巨大な林業界の参入と大規模伐採の圧力を食い止めることはできませんでした。

林業公社によって敷設された新しい伐採道路は、州最大の「太った木」のいくつかを含むエリアを開発してしまいました。地元住民がはじめた「太った木」の分類システムによれば、”V.B.T”(Very Big Tree)は幹の周囲が1015メートルあるものを意味し、"F.B.T”とは胴回りが15メートルを超える”クソでかい木”(F*cking Big Tree)の謂いです。

このエリアは伐採対象地です。地域の住民達が素早い行動を起こしたために、林業公社は、比類のない大きさをそなえた樹木があるためにこのエリアは保護に値する、と言わざるを得ませんでした。林業公社はまた、ここにこれだけ大きな木があることは把握していなかったと述べています。それでもかれらはいつもの浅はかさで、この大樹の森も破壊しようとしていました。これらの太った木は大きすぎてチェーンソーでは切り倒せないので、よくダイナマイトが使われます。

林業公社が、太った樹木の周囲3エーカーを保護してやろうと申し出たとき、地元住民は一笑に付して取り合いませんでした。地元ではウェルド・ヒルでのすべての伐採をやめるよう求めています。林業公社はすでに相当の伐採を行い、相当のダメージを与えています。かつてのオールドグロース林は松(パイン)の植林に姿を変えてしまいました。

パナマ森林

パナマの森林はゴルコンダ地方の大切な森林エリアです。ゴルコンダは観光用の幹線道路沿いにあって、有名なタスマニア・サーカス・フェスティバルが開催される場所にも隣接していますが、現在その周囲はほぼ完全に、伐採地と植林地によって囲まれています。

パナマの森林は1000ヘクタールの州有林です。それはこのあたりにあっては自生可能な、ぎりぎりの面積ですが、いつ伐採されてもおかしくない状態に置かれています。80年の後半以来、地域住民は産業用林業の候補地からこのエリアを除外するために戦っています。1990年からは、パナマ森林の自然的価値を認定せよとの要望が地域森林協定に対して出されています。地元が望んでいるのは森林全体の保存ではありません。かれらが求めているのは持続可能な方法による森林管理であり、工芸用木材、野生生物避難区、すべての人々が自然を体験できる場所としてのオープンな公有林、といった用途のための択伐です。

この地域一体は天然林の皆伐によって一大植林地に変わろうとしています。森林開発の触手がじわじわと、地元コミュニティーの願いを踏みにじりながらパナマの森林に向かって伸びてきているのです。

マウント・アーサー(アーサー山)

本当に恐ろしい話です。最近のマウント・アーサー高地における原生雨林の伐採は、地域森林協定に対する重大な違反行為です。この地域では、ここに自生する樹種だけではなく、この地域にしか生息していない生物種のためにも保護されていたのです。マウント・アーサー・ボローイング・クレイフィッシュというザリガニはここにしか生息していません。

マウント・アーサーでの伐採業務を地元住民が知ったときにはもうすでに手遅れでした。地元の住民たちは、マウント・アーサーの残りの森林を保護するために保護団体を結成しました。そのグループは地域における皆伐行為の調査を行い、「林業実施規約(Forestry Practice Code)」に違反する多くの事例を公表しました。重大な違反は文書にまとめられた上で、精査を受けるべく林業実施委員会と裁判所に提出されました。これを受けて実施委員会は独自の調査を行い、この地域ではなんら問題点はないと報告しました。地元民による調査では60以上の違反行為が記録されたというのに、です。

植林業

ダービー、ウェルドボロー、リンガルーマ、ゴルコンダ、リリィデイル、マウント・アーサーといった、居住地域、農村部を問わずあらゆる場所で植林産業が跋扈しています。北西部も例外ではありません。この地域での植林業に伴う問題は以下のようなものがあります。

FEA社は税制上の優遇措置を受けており、「自社への投資については100%税金が還付されます」。つまりこの会社の目的は税金の回復や不動産取引であって、木を植えることなどどうでもよいのです。オーストラリア証券取引投資委員会からその不明朗な企業活動ためにお咎めを受けています。

FEA社はヘリコプターを使って化学物質を無差別に散布しており、その結果化学物質の過剰な投与により水路を汚染しさらにダムや井戸といった飲料水の水源までも破壊しています。また散布された毒薬の「1080」は、かれらが植林している単一樹種のユーカリプタス・ナイテンスを好物とする野生生物を殺戮するのに使用されています。FEA社は除草剤を全面散布してあらゆる植物を駆逐すると、不毛の地にナイテンスを植えます。これは遺伝子組換えを施されたフランケンシュタイン樹種です。野生生物たちは食糧源を失ったいま、新たに植えられた苗木を食べる以外にありません。しかしこれも、ポッサムやワラビーが好物とすることがわかったのです。

或るFEA社の植林事業に関して、ダービーの郊外で調査が行われました。証券取引投資委員会は、劣悪な雑草管理とそれに付随する火災の危険性から来る植林事業の脆弱さを理由に、投資保証に懸念がある旨、公表しました。雑草の問題は広域におよんでいます。この地域の問題は、州全体にわたって見られる産業用植林の実態のほんの一例に過ぎないのです。

雑草の種は、植林用に盛り土をした後の表土に付着します。アザミクロイチゴや侵入した雑草が新しく掘り返された土壌から芽を出します。雑草の侵入は、近隣の土地保有者に雑草の害を引き起こし、かつては生産性の高かった農耕地を傷跡で外見を損なわれた雑草の荒地に変えてしまいました。植林が行われる前は豊かなジャガイモ畑だったことはいまでもはっきり認められます。かつての作物が樹齢18ヶ月の人工林の間から実をつけているからです。地元の農家はかけがえのない土地が人口林に変貌するのを見て憤慨しています。